前回の続きを書きますね。
前回の内容がまだの方はこちらです。
つらつらと書いてしまったので、ともすると焦点がブレてしまったかもしれません。
ここで改めてまとめておきたいです。
「資産を増やすためのトレードをしたいのであれば、利益を伸ばすことの意識よりは、損失の拡大を防ぐ意識を持つことの方が重要である」
ということでしたね。
後者の意識でトレードをすると、不思議なことに、利益が勝手に伸びてゆくのです。
マイナス、つまり含み損に耐えると、それまでのプラスを損失分が上回っていく、というお話をしました。
最終的に資産を減らすのが、このパターンであるとするならば、資産を増やすためは、単純にこの逆を実行すれば良いのです。
逆ということは、極論、
プラスが出始めたら、それまでのマイナス分を上回る少なくとも1つのプラスを獲得しなければならない、
ということになります。
これは実際は相当難しいことのように思われますが、もしこれができないようであれば、損小利大の教えに合わないことになります。
「損小」と「利大」は常に同時に成り立っていなければならなかったのでした。
せっかく損小で資金を維持していても、「利小」になってしまったら、資産は増えないのです。
「利小」で終わらせる行動は、大きく負けなければ勝てる勝負を、勝利目前で途中で放棄しているようなものなのです。
とはいえ、人間の本性として目先の利益にはどうしても目がくらむ性質があります。(プロスペクト理論をググって下さい)。
何を隠そう、私もその部類の人間です。
マイナスにならないように、プラスになった段階で損切りラインをすぐに建値にもっていこうとします。
ところが、面白いことに、見透かされたかのごとく、大抵は絶好と考えられたエントリーポイント(含み損を出さないという意味)までもう一度値をつけに来ることが多いです。
その動きの中で、建値に持ってきた損切りラインは高い確率で引っかかります。
しかも、忌々しいことに、引っかかった後に思っていた方向に値が伸びるのです。
もう幾度となくそういったパターンを経験してきたので、これは偶然ではなく、相場とはそのような法則で動くものだと考えています。
物理法則でいうところの、"なぜ無しイコール"というやつです。
トレードを学んでゆくと、リスク:リワード比を何対何で決めてエントリーする、というやり方が教科書に出てきます。
これは利益が発生する確率としての期待値をいくらに設定するかによって、損失と利益の幅を自動的に決める賢いやり方だと思います。
その理論を借りて説明するとすれば、建て値に損切注文を動かす行為(つまりはリスクゼロにする行為)は、勝率をなるべく100%に近づけようとする行為なのですが、100%に近づけようとすればするほど勝利(利益)が発生する確率は限りなく0に近づく、ということを知っておかなければなりません(利益がゼロ地点に引っかかってプラスになりません)。
つまり、少しのリスクさえもとらないということは、限りなく利益回収率が悪くなる行為なのです。
(それでも世の中には、その実現確率の悪い大きな相場を損失無しで見事的中させる強者もいるようで、そこは分からないものです。確実性の低い、バクチ打ちの世界、あるいはものすごい大口投資家(国家/大手銀行レベル)の操作、あるいはインサイダーな裏の世界があるのかもしれません......それらは空想として、一般参加者はリスクをとらなければ利益が伸びないと思っておく必要があります。)
理屈っぽいことをダラダラ話をしてしまい長くなってしまいましたが、今回はこのあたりで終わらせさせて頂きたいと思います。
次回以降は、さらに具体性のある説明を加えてゆきたいと存じます。
それでは今後ともよろしくお願い申し上げます。