まだ手法を試している段階にもかかわらず、お読み頂きましてありがとうございます。
今回は前回に続く手法のお話です。
前回はいきなり核心部分をお話しさせて頂きました。
まだの方はこちらをご参考ください。
かなり重要なことなのでもう一度おさらいしますと、
『損小利大を心がけよ』
ということでした。
さて、では資産を増やすためには、「損小」と「利大」、この2つの中で、皆様はどちらを意識しておられるでしょうか?
9割の方が「利大」の部分を意識してしまうのではないでしょうか?
それはそれで間違いでは決してございません。かなり正しいです。
でも問題はそういう意識を持つ人の大半がその「利大」の意識が強すぎるあまり、「損小」の意識がどこかへ飛んでしまっている場合が多い、ということです。
「利大」と「損小」、この2つは同時に成り立たなければなりません。
「利大」の意識が強すぎると、勝率を求め、その結果、負けを認めない意識が働いてしまい、マイナスになったときに損が膨らんでゆきます。
勝率95%のエントリーサインツールがあったとしても、たった5%の負けエントリーで、損を切らずに放置すると、マイナスがプラスの取り分を上回っていくのです。
言い換えると、たとえ高い勝率で元本の何十倍も資金を増やしプラスになっていたとしても、たった数回の、損切りの機会を失った負けトレードで全てを失う場合があるのです。
私の幾度となくやられてきた、そして恐らくトレードを行う人の大半が経験する強制ロスカットは、全てそのパターンで起こります。
いくら勝率が90%を超えていたとしても...その上の、95%というとてつもない勝率を誇っていたとしても、全く関係がないのです。
資金を失う時というのは、例外なく、損失の拡大に耐えてしまうパターンで起こるのです。
このメカニズムにもっと早く気づくべきだったと、私は深く後悔しております。
もし、まだ強制ロスカット未経験の方がおられましたら、是非このことを胸に刻んでおいて頂ければと存じます。
さて、では「損小」を意識するようにしたとしましょう。これだけで利益は伸びていきますでしょうか?
そう簡単には伸びていかないでしょ?と思われるかもしれません。
半分まったくその通りで、正しいです。
そのエントリーがレンジ相場中であったならば、再び逆行して、損切り注文を入れていたとしたら引っかかってしまうかもしれません。
ただ、そうなったら、そうなったで、何度負けを繰り返そうが、機械的にマイナスを最小限で確定させ、そのエントリーが間違っていたと思えばよいのです。
(余談ですが、その場合、たいていはトレンド相場がその後くるので、狙いやすくなります。)
ところがです。
そのエントリーが、もし正しい方向のトレンド相場の根っこにあるならば、どうでしょう?
めちゃめちゃ伸びていきます。
本当にエグイほど伸びていきます。
トランプ相場をご存知でしょうか?
USDJPYの場合、そのトランプ相場の大トレンドは、初めのうちは、「あっ、暴落に対するショートカバーが入ったな?」程度でした。
その後どうなったでしょうか?
1ヶ月近くまったく下落する気配を見せず、ぐんぐん上昇しました。
相場というものは、一度トレンドが生じると場合によっては発生地点に2年、3年まっても戻ってこないようなほど限りなく遠くまで伸びてゆくのです。
そして仮にトレンド方向に正しくエントリーできていたとしたら、そのエントリーに費やした負けトレード分のトータルの損失を何倍返し、何十倍返しにもできるのです。
一方、損失を抱えたまま我慢すると一体何が起こるでしょうか?
何週間もの間、ひたすら含み損が膨らみ続け、日に日に精神的に追い詰められていく苦しい日々が待ち受けています。
マジ、これはへこみますよ。
「もうやめてくれ~」といくら叫んでも誰も止めてくれません。
たいていトレンドの最後は勢いづいてローソク足が異常に伸びていくのですが、その時にそれまでコツコツと頑張って貯めてきた資金がフっと飛んで消えて無くなってしまう瞬間は何度経験してもつらく、苦しく、忌々しいものです。
(このローソク足の異常な伸びは、一般トレーダーの、強制ロスカットを巻き込むものとされております)。
コツコツドカンというやつですね。
それと、損失の拡大に耐えることが良くないもう一つの理由は、せっかく発生した絶好のトレンドの波に資金を投入できなくなることです。
いい事が全くないことが改めて分かります。
「損小」に抑えておけば、いくらでも後で「利大」で取り戻せるのです。
運悪くレンジ相場につかまり、エントリーしては損失を繰り返したとしましょう。
そういった時の、気持ちの持ち方として、
「その損失が今後発生するトレンド方向へのエントリーとその利益のための手数料である」
と思えるかどうかが大変に重要になってきます。
このタフな思考・精神力こそが、最終的に金融商品取引で資産を築くために絶対必要なことである、と自分は様々な経験を基に考えています。
ちょっと長くなってきたので、一旦区切りますね。
すぐに続きを書きます。